後頚部縦の強いコリが原因で起きる「頸性めまい」は
ふらつき感、非回転性めまいです。
しかし、単純にそれだけということはむしろ少なく、後頚部が硬くなっ
ているくらいなので、様々な他の症状（以下）を伴うのが普通です。
------------------------
左右どちらか（くび後の頸椎棘突起列すぐ隣）だけでなく、両側の強い
コリ、前頚部（前の正中のわき）のコリによる咽喉頭症状（違和感、飲
み込みにくい、しゃべりにくい、疼痛）。
側頸部（くびの横、耳の下）、耳周囲の強いコリを伴い、耳の諸症状（
疼痛、耳鳴り、耳閉塞感、難聴、回転性めまい）。
長期にわたる疼痛症状により、痛みに対する自律神経反応のレベル異常
で、自律神経異常（血圧調節の不調による立ちくらみ、失神、発汗異常
、ほてり）
後頚部のコリは後頭部（やはり後正中に近く）および目の奥の痛みをと
もなうことが多い。
------------------------
めまい・動揺感の性質も多彩で、ふわふわ浮かぶ、ずんずん沈みこむ、
地震かとたびたび見回す、実際にまっすぐ歩けない、揺れている、など
。また、姿勢（身体、くび）制御にとって視覚情報の意義はとても大き
く、閉眼では正常・健康でも片足立ち維持は困難です。街路では車や行
き交うひとなどに反射的に目が追随するので、視覚情報による修正が困
難で、揺れを感じやすい。狭い空間、書架・物品棚の隙間、コンビニ、
などで特にダメなどもよくあるようです。
------------------------
治療は後頚部の頑固なコリを治すのが基本です。筋弛緩剤は効きません
（肩くびのこり一般にあまり効かない）。抗不安薬（デパス）はいくぶ
ん効きます。しかしだからといって、症状が心因性であると考えるのは
間違いです。温める、軽い運動は良いと思われます。
他院の紹介はしておりません。