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痙性斜頚と振戦 No.[992]
投稿者:芝大門クリニック・渡辺譲二 投稿時間:2015/07/16 [木曜日] 08:16:43
当院(芝大門クリニック)は、身体(頭、首、肩、腰など)の痛みの治
療が主ですが、平均20人以上の痙性斜頚患者を継続的に治療しておりま
す。基本は、「痙性斜頚の原因をくびの局所のコリと考え、それを主に
低出力レーザ光治療で治す」です。他の医療機関は、原因を脳の異常と
考え、それとは矛盾するものの首の筋肉を弱毒性(ボトックス)注射で
マヒさせる治療が主体です。難治で、他の、くび、肩、腰、膝の痛み、
頭痛、眼、耳の症状などに比べて、治癒までの期間が長く、予測しにく
いのですが、多くは改善・治癒できます。

***********  以下参考までに。  *************
くびのふるえ(振戦、特に原因不明の本態性振戦)と、痙性斜頚は境目
が無く、同じものかも知れません。痙性斜頚は、くびを左右どちらかに
強く振り切って、戻せなく(にくく)なる状態が最も多く、その他にも
、のけぞり、逆にうつむく成分が目立つ場合もあります。そのような大
きい、「振り切り」型も、小刻みな震えがベースにあり、それを起こさ
ないように可動域のエンドまで無意識に力を入れて抑えこんでしまって
ることが多いようです。
くびの動きは自由度が高く、とても複雑です。左右水平方向だけでも、
180度以上、やや後向きまで振ることができますが、両目で対象をじっと
精確にとらえられるのは、前の左右30度くらいです。それ以上は、身体
が反射的に向き直り、前方で捉えるようになります。くびの左右の筋肉
で微妙なバランスをとり精確にコントロールできるのは前方のわずかな
範囲で、それ以上は、一方は強くひっぱり、他方はただ緩めてるだけな
ので精確さ、持続性に欠けます。車をバックさせる、飛んでくる球を肩
越しに見るなどの偏った動作は、ごく短時間です。
「くびの震え」は、前方(上記の精細な制御範囲)の左右どちらかの特
定の角度で起きやすいのも特徴です。
くびを強く動かす(ヘディング、ブリッジ、頭突き、横や後を向く)は
、表層の大きい筋肉が、前方の精細な制御は最深部の小さい筋肉が担当
するようです。痙性斜頚の典型的なタイプ、強い回旋型では、表層の大
きい筋肉をマヒさせるボトックス注射を打つ治療がありますが、これは
奥に潜む真犯人を逃しているかも知れません。




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