痛みやしこりの期間が長いですね。まず結論から言うと、スポー
ツ医学専門の医療機関をたずねるのがいいと思います。大人達を見
下ろすほどの体格かも知れませんが、まだ成長途上の身体は、子供
扱いで（何が起きるかわからないので）、慎重な対応が必要です。
　よくあるしこりは次のようなものです。上腕二頭筋の一部。上腕
上部の外側に、いつのまにか（ある動作で急に痛み始めたのではな
く）できていて、はじめは肩のあたりが漠然と痛く、そのうち場所
を限定できるようになる。豆やつぶ状ではなく、縦長のもので、押
すと痛みがある。腕を上げる動作で痛む。
　当院なら、まずはできるだけ使わないように指示、初期なら注射
をします。レーザー治療も効果があります。数ヶ月も長引くのは、
投球動作などを続けてるからではないでしょうか。小さくてもトラ
ブルを抱えてると、肩のような複雑な動きは、不自然になり、さら
に他の筋肉に無理な力をかけて、もっと傷める可能性があります。

　押して手や指に響く感じがあれば、神経の可能性もあります。そ
の場合は、その部位ではなく、別な場所（たとえば鎖骨周囲）が原
因かも知れません。

　筋肉線維は、日常生活や適当な訓練の範囲なら、ごくわずかずつ
破損し補修される（その結果太くなる）ものだそうです。かなり過
大な負荷の場合は、筋肉や筋膜、腱などに断裂ができ、激痛を伴い
ます（肉ばなれ）。負荷が強めで、不自然な使い方を繰り返すと、
補修不可能な、まとまった大きさの破損が起き、筋線維ではなく、
柔軟性のない結合（瘢痕）組織で置き換えられます。
　それよりも軽い場合や、初期には、使いすぎた筋細胞でのエネル
ギー代謝の結果できた物質が除去されず（血流が処理してくれるよ
りも早い）蓄積し、局所的に浸透圧が高くなり水分を引き寄せふく
らみ、固くなるし、痛み物質を出します。自律神経が反応し血管を
収縮させ血流が低下するので（痛み＝傷、血を失うともったいな
い、生命に危機）、さらに循環が滞り、悪化し、痛みも増す、とい
うことになります。
　治療は、それらのうち悪いもの（負荷、炎症、血流低下など）を
止め、自然な修復、再生を促すことをめざします。これが適切でな
いと、元の筋肉ではなく、伸び縮みしない瘢痕組織になってしまい
ます。