陰陽の考え方は中国をはじめとする東洋の概念です。ひとつの有用なキ
ーワードと考えていただければよいと思います。
私もはじめはよく分かりませんでした。
自分の食事療法や、患者さんの冷え症対策を実際に行ってゆく際に、私
の場合は千坂という職養生の先生が考案された「陰陽表」をもとにやっ
てゆくといろいろなことがそれで説明がつくのです。
大まかにいうと太陽光線の中でも紫外線は陰、対極の赤外線は陽。冷え
症のひとは陰性ですから陽、赤外線を浴びるのが良いのです。
冷え症でない元気なひとは多少の赤外線をあびても平気なわけです。
食材でいえば、地上に伸びて結実するものは陰性、地中深く根をはった
部分は陽。草や実は陰性で、冬の根菜は陽です。
同じ海藻でも根に近い昆布は陽で、わかめは陰にかたむいていると見ま
す。
結実である大豆はそのままでは陰性ですが、よく醸造されて塩としっか
り結合した醤油や味噌は陽性です。納豆は中間。
植物油は強い陰です。
千坂式陰陽区分は更に酸アルカリの概念も入れて4区分となっています
が、基本は陰陽です。
陰陽の概念がだいたい分かってくると、世の中のことすべても陰陽で見
ることもできると思いますが、私はこの概念の利用は食生活と個人生活
にとどめています。
世界や社会は現代の「科学的世界観・社会観」のほうが役立つとおもう
からです。
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