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ジンケンシンガイト、インペイ・カバイダテ No.[535]
投稿者:斎藤洋太郎 投稿時間:2008/05/28 [水曜日] 08:51:05
 健康保険が赤字だから、高齢者を『姥捨て山』に送るという。この言
い分は、うそだ。実は、厚生労働省は、黒字の労災保険の給付をすさま
じい勢いで打ち切って、赤字の健康保険に追いやっているからだ。『適
正給付』と称して、なおったか、社会復帰できたかおかまいなしに、年
数とかで『症状固定』にしてしまう。
 たとえば、従前は、労災休業中に、厚生年金の障害年金を併給するこ
とがあって、労災と厚生年金の給付を調整している(労災法14条2項
)。最近は、症状が強く治療を中止すると悪化するのに、労災療養・休
業補償を早々に打ち切ってしまって、労災障害年金となり、健康保険の
傷病手当を併給したいが、『想定外』のことゆえ、調整規定がなくて困
っているという始末だ。
 本来業務上の傷病は黒字の労災保険できちんとなおし、職場復帰して
もらうのが筋なのに、主治医の意見を無視して、勝手に打ち切ってしま
って、赤字の健康保険に追いやる厚生労働省は、健康保険財政のことも
まじめに考えているとは思われない。労
災を切られても、被災者は治療しなければならないから、かかる費用は
同じで、黒字の労災保険から削った分を、赤字の健康保険が負担すると
いう事態なのだ。本件は、不服審査制度もかかる不合理なしうちに追随
する体たらくで、労災打ち切り事案の中でも特にひどいものだ。

 労災法の目的は、迅速公正な補償と社会復帰の促進である。特に、な
おる職業病は、労働基準監督署が会社を指導して職場復帰を促進すべき
だ。ところが、労務不能になり労災障害年金の対象になったというわけ
でもないのに、中途半端に補償を切る(症状固定=治癒扱い)なら、被災者
は仕事でからだをこわしたのに、会社を去らねばならないような不合理
に陥る。本件を含む成田署事件を総括するなら、それらは会社と監督署
がぐるになった被災者追い出し作戦であり、打ち切り処分を撤回しない
のは、つまるところその作戦の貫徹にほかならない。監督署が『適正給
付』と称して、治療を中止したら悪化するような段階から切ってしまう
ため、業務上傷病だったのに、赤字の健保財政に負担させるような不合
理例も目立ってきた。
 本件は、主治医と見解が一致した『治癒』や、主治医・局医間の判断
が食い違う『認定治癒』とは全然異なり、違法な『課長治癒』『暴言治
癒』とでも呼ぶべきもので、人権を侵害し,何ら医学的根拠のないもの
だ。
 成田労基署による大量打切りと、同事件の調査文書の情報公開につい
て、次の動きがある。
��    労災打切り再審査 治癒認定された被災者のひとりについて、労
働保険審査会の公開審理が5月9日になされた。労災不服審査制度が中立
・公平なら、法令通達違反違背の原処分(通達に定めた局医協議さえなし
)をただ取り消すだけですむのに、再審査請求から1年近くも待たせたあ
げく(どこが迅速か)、公開審理では、平成18年の打切りなのに、15〜16
年の医師意見の参照を示唆し、監督署の従前の労災療養継続認定より後
退する危険性がある(16年当時無理なフライト=業務負荷で悪化していた
のに、なおっていたかのような牽強付会)。審査官は身内のかばいあいが
顕著であり、それに加えて審査会は専門性に疑問がある(たとえば、脊髄
損傷は神経学的診断が重要なのに、MRIに見えないから損傷はないと決め
付ける。東大・日大系の脳神経外科学教科書では、脊髄不全損傷自体を
MRIでとらえるのは困難と明記されており、画像だけで神経損傷の有無を
判断するなんて、素人のやる事だ)。
��    暴言・打切り調査書類不開示の審査請求 成田署労災課長の暴言
や打切りにかかわる処分の一件書類と、その調査書類が、行政文書不開
示とされた事について、審査請求していたところ、1年以上たった5月1
3日付けでようやく、情報公開・個人情報保護審査会が厚生労働省から提
出された理由説明書の写しを送付してきた。

 全体として、厚生労働省は、人権侵害・違法打切りを反省せず、不服
審査制度は機能していない。暴言を吐かれた被災者に対する打切りには
医学的根拠がない(主治医の継続意見のみで、それを否定する局医意見は
ない)のに、なぜいつまでも救済されないのか。審査官や審査会が、原処
分を補強するのは許されるのか。
 私が代理人をつとめる3人以外にも大量に打ち切られた。すべて局医協
議されておらず、主治医の療養継続意見しかないはずである。そのうち
、かなりの患者が暴言を浴びた。その調査結果をなぜ公表しないのか。
本件情報不開示とは、そういう隠蔽体質を反映するものだ。
 被災者の人権や国民の権利を厚生労働省は丸ごと否定しているではな
いか。成田署事件の全貌を公表し、被災者の人権を回復すべきである。

事実経過
��    成田署は、腰痛が多発する日航の被災者について「社会復帰対策
要綱」の実践を放棄してきた。なおる職業病について、会社を指導して
職場復帰を促進するとの、国会答弁に反している。
��    2006年2月、成田署の川口労災課長は、被災者に暴言を吐いた。補
償をひたすら打ち切ろうとする川口課長の発言は、常軌を逸している。
打ち切り過程がかくも異常なのに、症状固定の結論だけ正しいと居直る
のには無理がある。
��    暴言課長の治癒(症状固定)=打切りには、医学的な根拠がない。主
治医の意見は、労災療養継続・職場復帰をめざすというものだ。私が代
理人をつとめる3人の被災者の復命書は、打ち切り直近(ないし半年間=
症状の推移に即し)の医証は、主治医の継続意見のみであり,局医協議し
ていない。局医意見もとらずに打ち切ったのは「適正給付管理通達」に
さえ反し、局医意見がないから主治医意見との調整も不可能なため、主
治医意見尊重をうたった国会決議などに反する。
��    平成17年度末(2006年)に成田署で打ち切られた被災者の多くが暴
言を浴び、おそらく全員局医意見抜きの通達違反打切りの被害にあって
いるはずだ。

「人事上の処分」を口実に、被災者切り捨て事件のもみけしをはかる厚
生労働省 本件情報開示請求の対象は、人事上の処分にかかわる書類と
、労災課長の暴言や被災者への通達違反打切り処分にたいする調査にか
かわる書類とに分かれる。厚生労働省は、この前段・後段を意図的に混
同する。
 理由説明書にあるように、仮に前段が人事上の処分であっても、後段
はまさに「公務員の職、職務遂行の内容にかかわる部分」である事は、
論理上明らかである。しかも、上記経過に照らし、不法な職務遂行の内
容が調査されていなければおかしい。公
務員の職務遂行にかかわる、暴言や打切りに対する調査書類を開示すべ
きである事は明らかだ。
 千葉日報は、課長に厳重注意したと報じている。性別を言わずとも、
成田署の労災課長は一人だから、個人は特定される。なまぬるい注意処
分なるものは、既に天下に公表されている。被災者の人権を傷つけたの
だから、労災法の目的に照らせば、公金着服より罪が重い。
 労働者保護をたてまえとする監督署で、被災労働者の人権を侵害する
という逆のことをやっていた事実を、厚生労働省はどう受け止めている
のか。被災者を、保険給付詐取の犯罪者視しているのではないか。
 少なくとも、大量打切りにおける暴言や通達違反についての調査書類
(開示対象の後段)を出すべきで、それは人事上の処分ではなく、被災者
への権利侵害にかかわる文書である。
 川口課長による平成17年度打切りの内容・全貌を明らかにし、給付の
再審査請求をしている被災者に対しては勿論、違法打切り処分すべてを
取り消しなさい!



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