労災の再審査機関の審査員は、国会同意人事です。官僚の天下りはけ
しからん、ということで参院で否決とのこと。被災者と監督署に対し、
中立に判断するのでなく、審査会は明らかに監督署に肩入れしています
。官僚上がりはいかんと、国会が否決するのは当然です。
石綿疾病であるびまん性胸膜肥厚。厚生労働省の内部通達は、症状が
重くなったら補償するとしています。しかし、これは化学物質による疾
病(労働基準法施行規則別表の4号)で、ほかの職業性疾病同様、現実に医
療が必要となった時期から補償すべきものです。
確かに、じん肺(別表の5号)だけは例外的に、重い状態(管理4ないし合
併症)から補償しますが、これはじん肺法の条文にもとづくものです。じ
ん肺は法律の規定により一定の症状からしか補償しませんが、びまん性
胸膜肥厚についてかかる法律的な規定はなく,法律・政令・省令より下
位の通達による制限であり、違法だと思います。
行政の内部通達にとらわれないはずの審査会(国会同意人事という重み
)なのに、違法に補償の範囲を狭めるのは許せません。労災の目的は、早
期に病気を発見し、なるべく治療してなおせるものはなおし、あるいは
症状を軽減・抑制し、重い症状・障害に対しそれなりに補償する事です
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