裁判所の判断 (3)つづき
ウ そうすると、控訴人(被災者)は、本件事故により、頸部・頭部
や手指等の上肢を中心とする運動障害及び感覚障害を発症し、併せて神
経因性膀胱を発症したものである。・・・頸椎捻挫は膀胱直腸障害を伴
わないから、本件事故による控訴人の傷病は頸椎捻挫にとどまるもので
はないというべきである。そして、控訴人は、本件事故起因して神経因
性膀胱を発症したが、X線撮影、CT,MRI等による画像診断で骨傷
等の異常が認められず、本件事故により運動機能及び感覚が完全に麻痺
したわけではなく、歩行することもできたものの、手指の運動障害が続
いているのであるから、・・・控訴人は本件事故により不完全頸髄損傷
の一態様である中心性頸髄損傷を発症したものと認めるのが相当である
。(つづく)
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